PEAK CREATORS supported by ジーユー|熊本郷土料理青柳 女将 倉橋 恭加

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PEAK熊本編集部
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PEAK熊本×ジーユーの連載企画、待望の第2弾!

今回は「熊本郷土料理 青柳」女将である倉橋恭加さんを取材しました。
昭和24年創業から77年続く歴史ある「郷土料理 青柳」の女将であり、こども食堂の開催や被災地支援など多方面にご活躍されています!

普段はお着物を着られて、凛とした佇まいでお仕事されている倉橋さん。今回はジーユーのコーディネートで普段の和装スタイルとは違った更なる魅力を引き出していきます!

青柳で生まれてから女将になるまでの道のりや人生観、さらには進路に迷う熊本の学生に向けてなどなど…たくさんお話いただきました!

PEAK CREATORS vol.2 倉橋 恭加|supported by ジーユー

倉橋 恭加

今回のカバークリエイター

倉橋 恭加

「熊本郷土料理 青柳」二代目女将。
熊本で生まれ、幼少期から学生時代熊本で過ごしたのち、大学進学を機に上京、大手ゼネコンに就職。
東京の料亭にて修行したのち若女将として青柳に戻り、2015年(平成27年)二代目女将に着任。
女将業だけでなく、こども食堂の開催など、幅広い活動を行っている。

「熊本郷土料理 青柳」二代目女将。
熊本で生まれ、幼少期から学生時代熊本で過ごしたのち、大学進学を機に上京、大手ゼネコンに就職。
東京の料亭にて修行したのち若女将として青柳に戻り、2015年(平成27年)二代目女将に着任。
女将業だけでなく、こども食堂の開催など、幅広い活動を行っている。

 

新たな魅力に気付ける、秋のジーユースタイル

今回のカバークリエイターは「熊本郷土料理 青柳」の女将、倉橋恭加さん。

倉橋さんが女将をされている「熊本郷土料理 青柳」さんは、昭和24年創業から77年続く郷土料理店。県内外からお客さんが来られる老舗のお店です。熊本で初めて馬肉のすき焼きの提供を始め、江戸時代のお殿様が食べていたという本丸御膳の復刻を行われたなど、まさに熊本郷土料理の元祖!

普段お着物でお仕事されている倉橋さんに、今回はより一層上品な雰囲気が際立つ秋のジーユースタイルを提案しました。

【スタイリング担当/学生ライター masakiより】
いつもは着物姿でお店に立たれている、女将の倉橋さん。凛とした佇まいの奥にある、女性らしいやわらかさを引き出したくてスタイリングを組み立てました。

選んだ色は、ブラウン・ネイビー・ホワイトの3色。

すとんと落ちるリブニットと、歩くたびに裾がふわりと揺れるプリーツスカート。ウエストにはブラウンのベルトをきゅっと効かせて、メリハリのあるシルエットに仕上げました。着物とはまた違う、洋装ならではの品が見えてきます。

まず目がいくのは、足元の白のオックスフォードシューズ。ネイビー×ブラックのソックスの切り替えがちらりと覗いて、シックな装いに軽さをプラスしています。

腕にかけた白いダッフルミニバッグをよく見ると…実はオウルのチャームがちょこんと隠れています。フクロウは「福来郎(ふくろう)」とも呼ばれ、福を呼び込む縁起物。

これからも「青柳」にたくさんの福が訪れますようにと、そんな願いを込めて忍ばせた小さな遊び心です。

そして首元には、こんな仕掛けも。チェック柄のスカーフを、パールのリングでキュッと結んで留めているんです。ただ巻くだけでは出せない、ワンランク上の洒落感が生まれました。

凛としながらも、やわらかい。普段の着物姿とは違う、でも確かに倉橋さんらしい一面に出会える。そんな秋のコーディネートに仕上がりました。

〈着用アイテム〉
UVカットメタルコンビネーションボストンサングラス(57 OLIVE)/ワンサイズ 1,290円(税込)
チェックタイスカーフ PF(34 BROWN)/ワンサイズ 990円(税込)
パールライクリング5P(85 SILVER)/ワンサイズ 590円(税込)
ファインゲージニットリブセーター MN(69 NAVY)/Sサイズ 1,990円(税込)
Dカンループベルト UL(37 BROWN)/ワンサイズ 1,290円(税込)
ランダムプリーツスカート CL(38 DARK BROWN)/Mサイズ 2,990円(税込)
ダッフルミニバッグ PF(00 WHITE)/ワンサイズ 2,990円(税込)
チャーム(オウル)CL(36 BROWN)/ワンサイズ 990円(税込)
クルーソックス(ツートーン)PF(69 NAVY)/ワンサイズ 290円(税込)
オックスフォードシューズ MN(00 WHITE)/Mサイズ 2,990円(税込)

——今回のスタイリング、率直な感想はいかがですか?

やっぱり、人に選んでもらった服を着るのって新鮮だしワクワクしますね!

普段、飲食業で働いていると中々こういう服は選ばないし、スカーフをリングでまとめるという発想が私にはなくて驚きました!自分では似合わないと思っていた服を着てみると「あ、案外このスタイル似合うんだ!」とか「人から見た自分ってこういう服が似合うんだ!」という新しい発見にもなりましたね。

——小物もアクセントとなって、とてもお似合いですよね。

プライベートでは洋服も着るので普段からジーユーにはよく行きますが、アクセサリーやチャームなど、服以外に小物もたくさんが種類があることに驚きました!今度ジーユーに行った時に探してみたいですね♪

 

「熊本から出たい!」そこから生まれた郷土愛

普段は「熊本郷土料理 青柳」で女将をされている倉橋さん。

実は、一度熊本を離れて県外の企業に就職されたそう。

——今でこそ青柳の女将をされている倉橋さんですが、ここに至るまでの生い立ちを教えてください!

私は当時の女将の娘として、青柳とともに生まれ育ちました。昔の青柳の建物は今と少し違って、上の階は居住スペースになっていたんですよ。

——なるほど…ということは熊本の「街」で生まれ育ったということですね!

そうなんです!だから熊本城が目と鼻の先にあって。中心地には子どもが遊べる公園がないじゃないですか。今では考えられないですけど、熊本城の石垣のところで遊んだりもしていましたね(笑)。

——そんな生まれも育ちも熊本の倉橋さんがなぜ県外に就職を?

やっぱり自分の力で生きていきたかったということが大きいですね。青柳から離れて、自分の力で外に出て自分の力で働きたいという気持ちがその当時強くて。なので、大学は東京の大学に進学して、そのまま東京の大手ゼネコンに就職をしました。

当時、自分で土地を見つけてきて、商業施設を誘致して街並みをつくっていく仕事を行っていました。自分が誘致した商業施設を起点に住宅地ができて、そこにひとつの町ができるってなんだかワクワクしません?これがとても楽しかったし、面白かったんですよ!

——大企業でのお仕事を楽しまれていた倉橋さんが熊本に戻ることになった転機はなんだったのですか?

やっぱり、大企業のシステムって私には合わなかったんですよね。大企業って、仕事にかかわるすべての事が仕組み化されてるんです。たとえば私が別の部署に異動になったとしても、新しい担当者が来ればそのまま私が担当していた仕事を引き継げる、という仕組みになっているんです。

つまり、私じゃなくても誰でもできる仕事ということ。それが大企業のいいところでもありながらも、正直私には楽しくなかったところでもあったんですよね。そこから「私にしかできないことって何だろう」と考えた時に、熊本に戻って青柳を継ぐという決断をしました。

でも、内心ちょっと親に対しての反省もありましたね。東京の大学に行って、そのまま就職もして…。私は私で生きるからっていう反抗もあった中で、好き勝手させてもらって育ててもらった感謝もありました。

でも、すぐに青柳は継げないので修行を積み、そして青柳でも若女将として働かせてもらい、ようやく今は女将として働いています。

——修行されていたんですか!?てっきり女将の娘さんですし、すぐ継げるものだと思ってました。

いや、それがそうもいかなくて。なんなら私の母で当時の女将は、最初、私が継ぐことは反対してたんですよ。要は中途半端な状態で継がれても困ると。経営は従業員の生活や命を守るものだから、それだけの覚悟をもって欲しかったんだと思います。なので、東京の有名料亭で約3年修行を積みました。

——修行期間、すごく大変だったと思いますがそこで学んだことが今に生きていることはありますか?

いやー、そこで思い知らされましたよね。自分はこんなにも使えないのかと(笑)。でもそこで接客も、それ以外も本当にたくさんのことを学ばせてもらいました。そこで学んだことや経験が今の青柳にもすごく繋がってて。

青柳って、従業員の社外研修や勉強会の機会をたくさん設けているんです。単に外の世界で学ぶ機会を与えるという目的だけでなく、周りを知って自分を知ってほしいというのがあるからなんですよね。「足らざるを知る」という言葉のとおり、周りの人たちを見る機会を通して、変わらなければいけないところや足りないところを見つけてほしいんです。もちろん、資格取得に関するものにはお店からお金も出してます。

 

「綺麗じゃない」から「綺麗になったね」へ

——そんな倉橋さんが青柳で働いていて1番嬉しかった出来事はなんですか?

実は1番嬉しかった出来事と1番悔しかった出来事が一緒なんですよね。

まずは1番悔しかった出来事。それは若女将の頃に接客中にお客さんに言われたひと言で「あなたは綺麗じゃない」って言われたことですね。

やっぱり、私は娘として青柳で育ち、母の姿も見てきたからある程度ほかの人より仕事ができてたんですよね。だからこそ、自分より仕事ができない人に対して無意識で「なんでこれができないんだろう」と心の中で思っていた時期がありました。

そんなときにお客さまから「女将であるお母さんはあんなに綺麗なのに、あなたは綺麗じゃないわね」と言われてしまって。そのときは内心ムカッとしてしまいましたね。

——確かにそれはひどいのでは…!でも “1番嬉しかった出来事と一緒” とはどういう意味なんですか?

このひと言を言われた時に、なぜそうおっしゃったのか自分でも考えてみたんです。そして経験を積むうちに、私はお客さまを本当の意味で大切にできてないと気づいたんです。

私は女将としての母の外枠だけを見て、母が女将として本当に大切にしていることや、やってきたことに目を向けていなかったんです。そういうことをちゃんとやろうとしていなかったんだなと気づかされました。そのお客様からしたら、私の姿勢は薄っぺらいというか、きっと見てて美しくなかったんでしょうね。

それからは、本当の意味でお客様ひとりひとりのことをしっかり考えるようになりました。

月日が経ってある時、再び訪れたそのお客さまから「綺麗になったね」って言ってもらえたんです。それが私が一番嬉しかった出来事だし、印象に残っている出来事でもあります。

——やっぱりそのお客さんからの一言が倉橋さんの中でのひとつの転換点だったりしますか?

そうですね。やっぱり本当に変えてはいけないものは大事にしていかなきゃって思いましたね。母からは、「ある3つが出来たら女将を譲ってあげる」と言われてたことがあって、少しはその意味が分かった気がしましたね。

ちなみにその3つというのが「社員を家族のように思うこと」「常にお客様視点でいること」「儲けることより続けること」。これは実家の家訓でもあるんですよ!

あと実は私、「可愛い女性は偶然の産物、美しい女性は努力の賜物」っていう言葉が大好きなんです!

どうせみんなおばあちゃんになったらシワができてくしゃくしゃになるんだから、その時にどこにシワを作りたいかってこと。シワの場所はその人の生き様なんです。眉間にシワをたくさん作るよりも目尻と口角にシワをたくさんつくってクシャクシャに笑える女性になりたいなと思います。

だってそっちの方がうんと素敵じゃないですか!

 

熊本の料理を残す、文化を継承する「郷土料理 青柳」

——ここまで倉橋さん自身のお話をたくさん聞かせていただきましたが、次はこの青柳というお店について教えてください!

青柳の特徴は和食という文化にこだわっていること、熊本という文化にこだわっていることですね。例えば熊本の郷土料理のお店って青柳が初めてだったり、馬のすき焼きや握りを提供し始めたのもうちが最初だったり、今では他のお店でもやっていることが実はうちが最初なことが多いんです。

また、江戸時代に熊本城のお殿様が食べてた本丸御膳の復刻だったり花童の支援だったり、熊本の文化を継承するということを大事にしています。

——やはり、熊本に長く残り続けるお店だからこそのこだわりですね!

先ほどお話した3つの条件の1つでもありますが、「儲けることより続けること」っていうのが飲食店にとって何より難しいことなんじゃないかなと思います。正直、儲けることは頑張ればできるものだと思ってて続けることってどうやったら続けられるかを考えて行動しないとできないんです。

1店舗のみの経営で、正社員・アルバイトが約70名いるお店は珍しいと思います。もちろん日本人のスタッフだけでなく海外出身の社員もいます。私は自分たちだけじゃなくて熊本の食文化を通じて生きがいを生み、熊本が好きな人の輪を広げたいんです。

——「熊本の食を通じて生きがいを生み、熊本が好きな人の輪を広げたい」すごくカッコいいですね!だからこそ県内外からお客さんが来られるお店なんですね!

お客様にも来てよかった、美味しかった、と思ってもらえて、働いている人も成長を感じられて両方が存在価値を感じられる場所になっていると思うんです。お客様の居場所と働いている人が輝ける舞台を作るってこういうことなんだと思います。

 

やらない後悔よりやって後悔した方がずっといい!

——最後にPEAK熊本は熊本の学生が主となってつくるメディアなのですが、人生の先輩として熊本の学生に一言いただきたいです!

私自身、東京の大学に進学して熊本に戻ってきた人間としては、今の学生さんには外の世界を知ってほしいですね。外の世界を知るための手段はボランティアだったり、今のみなさんの取り組みであったり、なんでもいいんです。

そういうことをやっていると気づけるんです。「自分はこういうことが好きなんだな」とか「自分はこれやってる時が楽しいんだな」とか。逆に「自分はこれ嫌いだな、つらいな」ってことをあえて続けてみたりすると案外よかったりもします。

やっぱり、やってみるからこそ気づけるものってあると思います。行動しないと答えって出ないからやってみて後悔するしかないんです。やっているからこそ自分の何かに気づけるっていうのは必ずあるからそれを続けることを頑張ってほしいですね。

——正直やりたいことっていうのもなくてこれから先の未来が見えなかった私にすごく刺さりました!やっぱり、何事にも挑戦していくっていうのが大切なんですね!

仕事ってやっていくうちに楽しさや喜びを覚えるものだから。だから今はたくさん悩んでいい時期だと思います。色んなことやインターンにたくさん飛び込んで行ってほしいですね!

——PEAK熊本は「熊本にももっとたくさん魅力がある!」というコンセプトではじめたメディアなんです。一度熊本を離れられた倉橋さんの目線で、熊本の学生が地元に残る選択をするにはどうしたらいいと思いますか?

私自身、東京の大学に行って熊本に戻ってきた人間としては、熊本の大学生にもっと熊本の魅力に気づいてほしい!というのがあります。今は熊本から県外の企業に就職することを考えられている学生さんが多いと思います。

正直、すっごくもったいないなと思います。学生の頃はどうしても大企業とかそっちに目がいっちゃいがちなんですけど、大企業であっても自分に合う合わないは絶対にあります。熊本の企業の社長さんってすごく素敵な方が多くて、みんなで熊本を盛り上げよう!と活動している方が多いんです!

そういう人たちのおかげで地震にも負けず、熊本がここまで発展してきてるってすごくいいことじゃないですか。だからこそ、今の熊本の学生さんには熊本に残るっていう選択肢も持ってほしいなと思います。

 

最後に

これからの生き方やビジネス論、熊本に対する思いなどたくさんのことを語っていただいた倉橋恭加さん。女将という仕事への思いや熊本に対する郷土愛に溢れた、本当に心から美しく、素敵な方でした。

飲食業の枠を飛び越えたますますのご活躍に、今後も目が離せません!

 

〈credit〉
styling:Masaki Tsuji
interview:Urara Nakamura
photo:Yuna Matsui
writer:Urara Nakamura
location:熊本郷土料理 青柳