球磨焼酎を巡る旅vol.1|熊本が世界に誇る「球磨焼酎」の歴史と魅力
熊本県はもちろん、国内外に多くのファンを持つ、熊本県の人吉球磨地域が誇る「球磨焼酎」。
球磨川の豊かな水と厳選された良質な米からつくられる球磨焼酎は、やさしい香りとまろやかな味わいが特徴です。その歴史は500年以上になると言われ、熊本が世界に誇る伝統産業の1つとして、今もなお多くの人々に愛され続けています。
連載企画「球磨焼酎を巡る旅」では、そんな球磨焼酎の歴史や文化、そしてそこに関わる方々の想いに触れながら、その魅力を高橋酒造株式会社様と一緒にお届けします。
第1弾は、熊本県人吉市にある「球磨焼酎ミュージアム白岳伝承蔵」へ。
球磨焼酎の歴史や文化、製法、さらにはさまざまな銘柄の魅力まで、一度に学び、体感できるこの場所を巡りながら、球磨焼酎の奥深い世界を一緒に旅してみましょう。
知るほど好きになる、球磨焼酎の世界「球磨焼酎ミュージアム白岳(はくたけ)伝承蔵」
球磨焼酎の歴史と高橋酒造株式会社の歩み
みなさんは、「球磨焼酎」がなぜ特別な焼酎なのか知っていますか?
「球磨地域でつくられる米焼酎」というイメージはあっても、なぜ世界中にファンを持つほど愛されているのか、「球磨焼酎」とは具体的にどのような焼酎を指すのかまでご存じの方は意外と少ないのではないでしょうか。
ここでは、球磨焼酎が長い年月をかけて受け継がれてきた歴史と、その魅力についてご紹介します。
まずは球磨焼酎の原点を知るために、焼酎が日本へどのように伝わったのか、その歴史をたどってみましょう。
焼酎のルーツにはいくつかの説がありますが、最も有力とされているのは、15世紀頃にタイ王国でつくられていた蒸留酒「ラオ・ロン」が、当時交流が盛んだった琉球を経て日本へ伝わったという説です。
その後朝鮮半島から新しい蒸留法が伝わり、江戸時代には焼酎づくりが盛んになりました。明治維新後には身分の垣根を超えて、米焼酎が広く親しまれるようになり、人吉・球磨地域でも焼酎文化が大きく発展していきます。
日本最古の焼酎の産地とされる人吉・球磨地域。そこで造られる「球磨焼酎」とは具体的にどんなものを指すのでしょうか。
それは、国に地理的表示の指定を受けた本格米焼酎のことです。米のみを原料とし、人吉・球磨地域の地下水で仕込んだもろみを、同地域で単式蒸留し、びん詰めまで行ったものだけが「球磨焼酎」と名乗ることができます。
現在、人吉・球磨地域には27の蔵元があり、それぞれが500年以上もの間、伝統の技と歴史を守りながら、個性豊かな球磨焼酎を造り続けています。
その長い歴史の中で、球磨焼酎の魅力を全国へ、そして世界へ発信し続けてきた蔵元の1つが、高橋酒造株式会社です。

明治33年の創業以来、高橋酒造株式会社は、伝統の継承と革新を遂げてきました。昭和49年には、それまで主流だった常圧蒸留法に加え、国内でいち早く減圧蒸留による本格米焼酎づくりを開始したことで、香りや雑味を抑えた、すっきりとまろやかな味わいが実現し、「球磨焼酎」の新たな魅力を全国へと広げました。
こうした伝統を守りながらも挑戦を続ける姿勢は、創業以来、今もなお受け継がれています。では、その味わいを守り継ぐための製法には、どのようなこだわりがあるのでしょうか。
守り継がれる伝統の製法と技
球磨焼酎の美味しさを支えているのは、人吉球磨の豊かな自然と、長年受け継がれてきた伝統の製法、そして、つくり手の確かな技術です。
白岳伝承蔵では、原料となる米や水へのこだわりをはじめ、麹づくり、発酵、蒸留までの工程を、実際の道具や展示を通して学ぶことができます。

ここでは製造の全工程をひとつずつ見ていきましょう。
1.洗米・蒸米
2.製麹
3.一次仕込み/一次もろみづくり
4.二次仕込み/二次もろみづくり
5.蒸留
6.貯蔵
1.洗米・蒸米
精米した米を丁寧に洗い、水分量を調整した後、蒸し上げます。この工程で麹づくりに適した状態へと整えられます。

2.製麴
蒸した米を冷ました後、種麹を種つけして麹菌を繁殖させます。麹は、米のでんぷんを糖へと変えるだけでなく、雑菌の繁殖を抑える重要な役割も担っています。

3.一次仕込み/一次もろみづくり
麹に水と酵母を加えて約1週間熟成させます。この工程で、焼酎造りの土台となる一次もろみが完成します。

4.二次仕込み/二次もろみづくり
一次もろみに蒸米と水を加えて、さらに約2週間発酵させて二次もろみを作ります。ここで加える原料によって焼酎の種類が変わり、芋を加えれば芋焼酎、麦を加えれば麦焼酎になります。

5.蒸留
熟成した二次もろみを蒸留し、焼酎の原酒ができあがります。

6.貯蔵
貯蔵タンクで貯蔵します。その後、調合を経て私たちが普段口にする焼酎として仕上げられます。

いかがでしたか?
実際に使われていた道具を生で見ることができるので、とても迫力があります。
普段何気なく口にしている球磨焼酎が、私たちのもとに届くまでには多くの工程があり、その1つひとつが豊富な経験に裏打ちされた杜氏の熟練の技によって生み出されていることを実感しました。
「白岳伝承蔵」の楽しみ方
球磨焼酎の歴史や製法を学んだら、最後は実際に館内を巡ってその魅力を体感してみましょう。
白岳伝承蔵には、見て、学んで、味わって、球磨焼酎の奥深さを五感で楽しめる工夫が随所に散りばめられています。今回は実際に館内を巡りながら見つけたおすすめをご紹介します。
まずは「ホール」。

ここでは10分程度の映像が上映されます。球磨焼酎や高橋酒造株式会社について学ぶことができます。また商品についての紹介もあり、まだ飲んだことがない商品、聞いたことがない商品にも出会えるかもしれません。この映像を見終えるころには、球磨焼酎が飲みたくなること間違いなしです。
次にギャラリー。

入り口には、世界的に有名な賞を受賞してきた銘柄が並んでおり一気に特別な空間へ足を踏み入れたような気分になります。奥に進むと、過去数十年分のCMや新聞、ポスターなどが飾られており、美術館に来たような気分に。


個人的には熊本出身のお笑いタレント「くりぃむしちゅー」のお二人が出演する過去のCMがとても面白く、思わず「クスッ」と笑ってしまう場面も。目の前にソファがあるのでしばらく座って鑑賞しました。
最後にショップへ。

ギャラリーを出てすぐのところに試飲コーナーがあるので、気になる商品は試飲ができます。

飲んだことがない商品を1瓶購入するのはなかなか勇気がいるかもしれませんが、こうして試飲コーナーがあることで、そのハードルが下がりますよね。
私は以前もここに訪れたことがあるのですが、その時は「うめぽん」を試飲し、口に入れた瞬間の甘さとすっきりとした後味が気に入って購入しました。サーバータイプのものもあり、炭酸割で飲める商品もあります。

試飲コーナーの横には商品が並んでおり、気に入った商品はここで購入することができます。ここでしか手に入らない商品もあります。例えばこちら。
●百

●古酒 子守唄

●白岳全麹

お土産にも自分用にもどちらにもぴったりです。
また最近では、熊(BEAR)本(BOOK)で「BEAR’S BOOK」というクラフトジンも販売されています。

そして、白岳伝承蔵の素敵なところはこんなところにも。

実は高橋酒造株式会社の商品だけでなく、他の蔵元の焼酎も販売されています。球磨焼酎ミュージアムならではの品揃えで、さまざまな銘柄を知ることができるのはとても嬉しいです。
他にもおつまみやグッズも販売してあり、夜の晩酌を思い浮かべながら選ぶ時間も楽しめます。

そしてこんなユニークな商品も。

これは、「しろ」の空瓶をグラスや花瓶などに加工して販売されています。1つひとつ手作りだからこそ、全く同じものはなく、世界にたったひとつの自分だけのグッズが手に入ります。
さいごに
「球磨焼酎を巡る旅」第1回はいかがでしたか?
高橋酒造株式会社は、この人吉の地から、全国47都道府県と38の国と地域に商品を届けています。いくつもの時代を超えて、世界中にファンを持つ球磨焼酎。
その魅力を後世へとつなぐため、高橋酒造株式会社は革新を続けています。
「球磨焼酎ミュージアム白岳伝承蔵」では、球磨焼酎の歴史や魅力を「知る」だけでなく、「感じる」ことができます。

熊本県の方はもちろん、熊本県にお越しの方は、ぜひ実際に足を運んでみてください。こちらの看板が目印です。
大型バスの駐車場も完備されており、団体でのご来館も可能です。もちろん個人でも!

次回は、PEAK熊本メンバーが実際にピックアップした球磨焼酎を飲み比べ。
それぞれの味わいの違いや、おすすめの楽しみ方をお届けします。
メンバーと一緒に飲み比べ気分を楽しみながら、みなさんも“推し球磨焼酎”を見つけてみませんか?次回もぜひお楽しみに!
コラム:私の“推し球磨焼酎”
私の推し球磨焼酎は「白岳KAORU」です。
初めてこのボトルを見たとき、まるで夜空に輝く星のようなデザインに目を奪われました。シンプルでありながら洗練された見た目は、それまで私が持っていた焼酎のイメージを良い意味で覆してくれました。
ボトルに一目惚れして購入した「白岳KAORU」。初めて口にしたときは、華やかでフルーティーな香りにも驚いたことを今でも覚えています。
私のおすすめの飲み方は、王道ではありますが、ソーダ割にレモンを添えること。
爽やかな香りがより一層引き立ち、1日の終わりにほっとひと息つける、私にとって1日のご褒美の一杯です。
INFORMATION
店名:
球磨焼酎ミュージアム白岳(はくたけ)伝承蔵
住所:
熊本県人吉市合ノ原461-7
電話番号:
0966-32-9750
営業時間:
9:00〜16:00(15:30受付締切)
定休日:
無し(年末年始を除く)
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。




