偉人が歩いたまち、熊本
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偉人が歩いたまち、熊本 vol.10|加藤清正が築いた熊本の原点。熊本城に刻まれた、受け継がれる歴史
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これまでの連載では、熊本の地で生き、歴史を刻んできた偉人たちの足跡をたどってきました。その歩みの先にあるのが、今の「熊本」というまちの姿です。
では、その始まりはどこにあったのでしょうか。
今回ご紹介するのは、熊本の礎を築いた武将・加藤清正。
数々の戦をくぐり抜け、城を築き、人々の暮らしを守った清正。その存在は、今もなお熊本の地に深く息づいています。
偉人たちの歩みの始まりに立つ、加藤清正とその想いが残る場所「熊本城」
加藤清正について
戦国武将の中でも、熊本の地で特別な存在として語り継がれている人物がいます。それが、加藤清正(かとうきよまさ)です。

まずは、彼について簡単に説明します。
【加藤清正(幼名:夜叉丸、幼名:虎之助)】
・生年月日:永禄5年6月24日(1562年7月25日)
・死亡年月日:慶長16年6月24日(1611年8月2日)(享年49)
安土桃山時代から江戸初期にかけて活躍した武将で、熊本城を築いたことでよく知られている。築城や治水に優れ、民を大切にする名君として今もなお親しまれている。
清正は豊臣秀吉(とよとみひでよし)の小姓(こしょう)として数々の戦に参加し、武勇に優れた人物として名を残していましたが、その真価は戦場だけにとどまりません。
【小姓】
武士の役職の1つで、武将の身近に仕え、身の回りの世話や雑務を担う。
治水や城づくり、街の整備といった行政にも長け、戦えるだけでなく、治めることもできる多彩な武将として高く評価されてきました。
熊本では今も親しみを込めて「清正公(せいしょこ)さん」と呼ばれ、地域の人々の心に深く根付いています。
名将が築いた城
加藤清正を語るうえで欠かせないのが、日本三名城の1つ「熊本城」の存在です。

慶長4年(1599年)に築城が始まり、慶長12年(1607年)に「隈本城」から「熊本城」に改められました。清正によって築城された熊本城は、実戦を想定した堅牢な構造が特徴的で「武者返し」と呼ばれる反り返る石垣や複雑な縄張りは「難攻不落の堅城」と称されてきました。

さらに熊本城には、長期の籠城戦(ろうじょうせん)にも耐えられるよう、井戸が多く設けられ、食料を蓄えるための工夫も随所に施されています。敵の侵入を防ぐだけでなく、「いかに持ちこたえるか」という視点まで考え抜かれている点も、この城の大きな特徴です。
これは、数多くの戦を経験してきた清正だからこそ生み出せた城であり、防衛性と実用性を極限まで追求した結果であるともいえるでしょう。
熊本城と細川家
しかし、慶長16年(1611年)に清正が死去し、清正の息子・忠広が2代藩主となるも寛永9年(1632年)に加藤家は改易となります。
次なる主となったのが、偉人が歩いたまち、熊本vol.8でご紹介した「細川忠利(ほそかわただとし)」です。忠利は加藤清正が築いた熊本城を藩政の中枢として整え、熊本を安定した藩へと導きました。

熊本城の修理や、城下の整備・拡張を行い、戦うための城だった熊本城は、細川家の時代に「治める城」へと姿を変え、政治や文化の拠点として受け継がれていきました。
街に息づく熊本城
熊本城は熊本市内の中心部に位置し、アクセスの良さも魅力の1つです。
JR熊本駅から市電やバスで約20分。「サクラマチ クマモト」周辺からは、現代的な街並みの中に熊本城が姿をあらわし、歴史と今が交差する、熊本ならではの景色を見ることができます。

観光の途中に気軽に立ち寄ることができ、城に近づくにつれ、街中に突如あらわれる石垣や櫓(やぐら)の迫力は、初めて訪れる人々に強い印象を残すはずです。
熊本地震からの復旧の道のり
平成28年(2016年)の熊本地震では、熊本城も大きな被害を受けました。

石垣の崩落や建物の損壊など、その被害は甚大で、多くの人の心を痛めました。現在も復旧作業は着実に進められており、令和3年(2021年)には熊本城天守閣の復旧が完了するなど、少しずつかつての姿を取り戻しつつあります。

長い歴史の中で幾度となく困難を乗り越えてきた熊本城は、今もなお成長を続けています。
最後に
実際に城内を歩いていると、修復途中の石垣や、丁寧に修繕されている風景を目にすることができます。1つひとつの石が元の位置に戻され、崩壊した建物を大切に組み直していく、その光景からは、単なる復旧作業ではなく、「歴史を守る」という強い意志が感じられました。

かつて加藤清正が築き、細川忠利ら細川家が守り続けてきたこの熊本城。その歴史は、現代に生きる人々の手によって、未来へと受け継がれています。
この場所に立つと、時代を超えて積み重ねられてきた時間の流れを、静かに実感することができます。

ぜひみなさんも熊本城を訪れ、石垣や天守閣を前に立ったとき、戦国から現代へと続く熊本の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。
INFORMATION
店名:
熊本城
住所:
熊本市中央区本丸1-1(熊本城防災センター内)
電話番号:
096-223-5011
営業時間:
9:00〜17:00
定休日:
12月29日~12月31日
一人当たりの予算:
熊本城入園料小・中学生300円、高校生以上800円
※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。




