西子飼町|400年近く続く超老舗の生麩を気軽に楽しめる、もちもちランチ!

西子飼町|400年近く続く超老舗の生麩を気軽に楽しめる、もちもちランチ!

皆さんは「生麩(なまふ)」を食べたことはありますか?
小麦粉から取り出したグルテンを茹でて作られる、日本の伝統的な食材です。
もちもちとした食感が魅力で、特に京料理などでよく使われます。

私の家では、お正月に食べるお吸い物に毎年色鮮やかな小さな生麩が入っていました。
生麩が大好きだった私は、子どもの頃「大人になったら、生麩をお腹いっぱい食べてみたい!」と思ったものです。

今回は、そんな子ども時代の夢も叶う生麩の専門店をご紹介します!

歴史ある生麩を現代につむぐ、子飼商店街にある生麩専門店「麩屋氏助(ふやうじすけ) 子飼町店」

レトロな子飼商店街に軒を連ねるお店

お店は、熊本市中央区の子飼商店街の中にあり、最寄りの「子飼橋」バス停からは徒歩で約4分です。

子飼商店街は、なんともレトロで味わい深い商店街。

お店には専用の駐車場がないため、近くのコインパーキングに停めるのがおすすめです。

それでは、さっそくお邪魔しましょう!

店内のショーケースには、持ち帰り用の生麩が並んでいます。

「串なまふ」とはいったいどんなメニューなのか?気になりますね。

こちらはお一人様専用席。コンパクトな空間で特別なひとときを楽しめそうです。

刺し子ののれんが掛けてありました。かわいい!

店内には全部で10席ほどあり、この日は常連のお客さんでにぎわっていました。

 

ごはんから甘味まで、生麩づくし!

こちらがランチメニューです。

ごぼう天から特製がんもまでが、おそばのメニュー。

お店の方によると、生麩づくしの「生麩ランチ」が特におすすめとのことでした。

この日は、おそばのセットとおすすめの生麩ランチを頼んでみました!

まずは、おそばのセットからいただきます!

⚫︎大徳寺(生麩天付き)950円(税込)

おそばは、普通のおそばと茶そばから選ぶことができます。今回は茶そばを選びました。

まず、透き通ったお出汁がとっても美味しい!!

昆布とかつおで出汁を取っているそうで、シンプルだけど奥深いうま味があります。

茶そばのツルツルとしたのどごしもお出汁とよく合います!

上に乗っている飾麩もお出汁を吸って柔らかく、とても食べやすくなっていました。

薬味でネギと天かす、柚子胡椒、ゆずとうがらしが付いてくるので、お好みで味変しつつ楽しめますよ。

ゆずとうがらしが、粉なのにとってもフレッシュなゆずの香りがして感動しました。熊本の水上村産だそうです。

次に生麩の天ぷらをいただきましょう。

3個ある天ぷらはそれぞれ、色やもちもち度合いが少しずつ違っていて面白いです。

お野菜を使って色をつけ、硬さはグルテンに混ぜるもち粉の量を調整することで違いを出しているのだそうです。職人技ですね。

お塩でいただくので、シンプルに生麩の良さが味わえます。

生麩のもちもち感ってお餅や白玉団子にも似ていながら、もっとなめらかでキメの細かい舌触りで唯一無二なんですよね!

⚫︎生麩ランチ 1,280円(税込)

そしてこちらが、おすすめの生麩ランチです。

生麩好きの私でも、さすがに生麩でお米を食べるという発想は今までありませんでした!可能性は無限大ですね。

メインは生麩カツです。

外はサックサク、中はなめらかでもっちもち、食感がとても楽しい一品です。

濃い味のソースがお米と合う!

最近はベジタリアン向けの大豆ミートが普及してきていますが、その味わいに近いかもしれません。

ちなみに、生麩ランチはベジタリアンの方にも人気だそうです。

甘味が付いているのも嬉しいポイント!

きなことあんこと生麩の組み合わせは間違いない美味しさです。

しかし、おかずにもスイーツにもなれる生麩のポテンシャルの高さ…とてつもない伸びしろを感じます。

 

喫茶の利用やお持ち帰りも可能

生麩の甘味とお抹茶やコーヒーがセットになったメニューもあるので、喫茶だけ利用したいという時にもいいですね。

一時期は提供を休止していた手作りプリンも11月から再開されたのだとか!

こちらもおすすめです!

入口のショーケースに並んでいた生麩もずっと気になっていたのですが、お腹いっぱいなので今回はテイクアウトさせてもらいました。

私は串みたらし麩を買って帰りました!ほかにもあずき、きなこ、田楽と3種類の串生麩があります。

⚫︎串みたらし麩 210円(税込)

帰ったあと家でおやつとしていただきましたが、香ばしいみたらしの味が生麩に染み込んでいて、ペロリと食べてしまいました。

片手で食べられるので、商店街での食べ歩きにも良さそうですね!

 

生麩の良さは変えない、でもしなやかに変わっていく

「私の親の代までは製造だけをやっていたんです」

そう教えてくれたのは、店主の小場(こば)さんです。

「麩屋氏助」さんの創業は、なんと江戸時代前期の1632年!

あまりにもスケールが大きすぎて、想像するのが難しいくらいの歴史があります。

創業以来、400年近くにわたって伝統の生麩を受け継いできました。

現在の店主である小場さんのご両親の代までは、主に法事や法要の時に出される精進料理として、仕出し屋さんなどから発注を受けて製造のみを行っていたそうです。

しかし、時代の変化に伴いその需要が次第に少なくなり仕出し屋さんの数も減ってきたため、小場さんが新規顧客の獲得を目指して新しくお店を始めることをご両親に提案されたのだそう。

「両親にはお店を始めることを最初は反対されました。でものちにお店が軌道に乗ってからはとても喜んでくれました」と嬉しそうに話してくれた小場さん。

「とにかく生麩を食べたことがない人に気軽に食べてみて欲しいんです」

そんな想いで、日々新たな生麩ファンを増やすべくお店を続けていらっしゃいます。

長い長い歴史の中で、伝統の生麩の良さは変えず、時代に合わせて柔軟に進化をし続ける。

小場さんのお話を聞いて、麩屋氏助さんのしなやかな強さを感じることができました。

 

幅広いお客さんに愛される老舗

昔ながらの生麩で地元の方からも愛される一方、最近では若い方や外国のお客様も多いという「麩屋氏助 子飼町店」さん。

ちなみに西区の花園に本店があり、そちらは水曜日のみ営業の完全予約制で生麩懐石料理をいただくことができます。

子飼店と合わせてチェックしてみてくださいね!

伝統のもっちもち生麩を気軽に楽しむことの出来る場所はなかなかありません。

これからもずっとずっと歴史をつむいでいって欲しいお店です。

生麩好きの方もまだ食べたことがない方も、ぜひ一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

INFORMATION

店名:

麩屋氏助 子飼町店

住所:

熊本県熊本市中央区西子飼町2-14

電話番号:

096-345-7314

営業時間:

11:30~17:00
※食事は15:00まで

定休日:

水・日・祝

一人当たりの予算:

〜¥2,000

※記事内の情報は記事執筆時点のものです。正確な情報とは異なる可能性がございますので、最新の情報は直接店舗にお問い合わせください。

 

WRITTEN BY
さびねこかのこ

さびねこかのこ

山鹿市出身。今は熊本市在住。普段は、マーケティングの会社でWebライターをやっています。好きなものは、バレーボール観戦・読書・猫など。推しがたくさん居ます。食べ物は、担々麺といくらが好きです。わりと最近東京から帰ってきたUターン組なので、地元の方にも移住してきた方の気持ちにも寄り添いたい所存!よく知っている熊本と新しく出会う熊本、どちらも大切にしながら、素敵な情報をお届けできたらと思います。