菊池市の住宅街に、ちょっと不思議なカフェがあります。その名も「Pond caffe(ポンドカフェ)」さん。
店名の「Pond」は、菊池の「池」を英語にした言葉。また、小説『ナルニア国物語』に登場する“さまざまな異なる世界への入口となる池”のイメージも重ねられています。無限の可能性につながるような場所であってほしい——そんな思いが込められた名前です。
古民家を自分たちの手で再生した店内や、庭に並ぶアート作品、看板ヤギや看板犬。
まるでファンタジーの世界に迷い込んだようなこの場所では、カフェを入口にさまざまな出会いが生まれています。
目次
大らかなニュージーランドの風を感じる「Pond Caffe(ポンドカフェ)」
冒険の始まり
「Pond Caffe(ポンドカフェ)」さんがあるのは、菊池渓谷などが有名な自然あふれる菊池市。菊池市の中心部から少し離れた、田んぼやビニールハウスが広がるエリアの住宅街にお店があります。

住宅街に入り、この看板を見つけたら冒険が始まる合図。

左手に曲がるとお店、右手に曲がると第2駐車場にたどり着きます。お店の入口がだいぶ狭いので、軽自動車より大きい車は第2駐車場に停めるのがおすすめ!

お店の前の駐車場は、4〜5台分停められます。

日本家屋の庭に彫刻?
古民家の前に広がる庭には、謎の銅像など気になる物がいろいろと置かれています。


ここで、「Pond Caffe」の物語に登場する個性豊かなメンバーを紹介します。
まず最初に庭で出迎えてくれるのは、看板ヤギのハリーくん。

同じく看板犬のダスクちゃん。

そして、ニュージーランド出身の最大(マックス)さん(写真右)と、パートナーで熊本出身のしのかさん(写真左)です。

大らかで明るいお人柄が魅力のお2人。ちなみに最大(マックス)さんは日本語もペラペラなので、ぜひ気軽にお話ししてみてくださいね。
黒板になんと書いてあるのか気になりますが、まずはお店に入ってみましょう!
入口はこちらです。

自分たちの手で再生したユニークな店内
背の低い戸をくぐって、お邪魔します。

広がっているのは、とてもユニークな世界観!
さまざまな種類の木や、トタンのような素材が切り貼りされた空間は、パッチワークの作品のようにも見えます。
薪ストーブと木の壁がつくり出す、あたたかい雰囲気が印象的。

席はお隣の部屋にも。

こちらのお部屋は窓から日が当たって、外の庭の様子を眺めることもできます。
2階にも席がありますよ。最近あまり見る機会のない、急な角度の階段を上がってみましょう。


2階席は、まるでツリーハウスやロッジのようなワクワク感があります!ソファー席もあり、のんびりお茶や食事を楽しめそう。
メニューも独創的
「Pond Caffe」は、先に注文とお会計を済ませるスタイルです。まずは1階の奥のカウンターにどうぞ!
こちらがドリンクのメニューです。

コーヒー、紅茶、酵素ジュースやマジックラテなど、幅広いラインナップで大人からお子さままで、それぞれ気になるドリンクが見つかるはず。
ちなみに「フラットホワイト」は、ニュージーランドでは定番のカフェメニューなのだそう。エスプレッソにきめ細かく泡立てたミルクを合わせたコーヒーで、ミルクの泡が薄くなめらかな口当たりが特徴です。
お次はフードメニューをご紹介。

黒板に書かれていないメニューもショーケースに並んでいますので、ぜひ見逃さずにチェックしてくださいね。

デザートもたくさん並んでいました。
1番左上の「キャロットケーキ」は、ニュージーランドで最もポピュラーなスイーツの1つだそうです。
オリジナルドリンクとジビエが人気
●マジックラテ「BLUE」700円(税込)

「マジックラテ」とは、ラテベースの「Pond Caffe」オリジナルのドリンクです!
BLUE、RED、YELLOWの3種類の中から、この日はBLUEを選んでみました。
バタフライピーという花のブルーとミルクが混ざり合った、水色が美しい一杯。まるで菊池の美しい水辺を思わせる色合いですね。
ドリンクの上にはラベンダーの花が添えられていて、口に含むと優しい香りがふわっと広がりリラックスできます。ハーブティーを基本とした、甘さ控えめの優しいお味。スイーツともセットで楽しめそうです!
●ジビエサンド(+スープセット) 1,600円(税込)

取材日は、ジビエをイノシシのハムと鹿のお肉から選ぶことができました。私は、イノシシのハムをチョイス!
少しハード系なパンに、ハムとレタスやにんじん、赤大根などの野菜がたっぷり。
イノシシは臭みがなく、口に入れると脂の甘さが広がります。後味に微かに残るワイルドな風味が良いアクセントに。ジビエ食材は、氷川町の猟師さんから仕入れているそう。
2枚のパンに、それぞれ異なるソースが塗られているオープンサンドスタイルで、最後まで飽きずに食べられます。
黄色のソースは、柿アチャールと練りゴマのオリジナルソース。

白のソースは、豆乳マヨでクリーミーな味わいです。

ランチにはスープのセットもおすすめ!


にんじんとジンジャーがベースのドロッとしたスープで、スパイスが効いており体の芯から温まります。
「自分が体に入れたくないものは作りたくないので、そこはこだわってやってますね。」と話してくれた、しのかさん。
食材などは、できる限り菊池やその周辺地域から仕入れることを大切にしています。
小麦粉もオーガニックのものを使用。お客さんに安心して楽しんでもらえるものを提供したい、というおふたりの真摯な思いが伝わってきます。
カフェを入口に広がっていくストーリー
——どうしてお店を始めることになったのでしょうか。
しのかさん「2020年に熊本に戻ってきて、その前は2人でニュージーランドに住んでいました。あっちはエコ意識がすごく高くて、量り売り屋さんやエコグッズが売られているお店がたくさんあったんです。ゴミが出ないのがすごく気持ち良くて、最初は自分たちでも量り売り屋さんをやろうと考えていました」
コロナ禍の時期も重なり、その計画は実現しませんでした。そんな中、知り合いから現在の店舗となっている物件を紹介され、このプロジェクトが始まったそうです。
ニュージーランドで感じたエコ意識の高さが、「Pond Caffe」誕生のきっかけの1つになっているんですね。カフェの隣には、お店の精神を体現するショップも併設。


現在店舗になっている古民家に残っていたまだ使えそうなものや、リメイクした古着などを販売しています。


しのかさん「カフェよりも先に『菊池大学』というプロジェクトがあって、ワークショップなどを色々やりたかったんです。でも、それを単体でやるよりも『カフェ』という人が集まれる場所が常にあった状態で活動した方が、より色々な人と繋がれるかもしれないと思うようになりました。まずは、プロジェクトの入り口としてカフェをやってみています」
実は、お店の庭にある彫刻も、元々はカフェのお客さんだった『菊池大学』のメンバーが制作したアート作品。カフェという場所があることで、新しい人とのつながりや「やりたいこと」がどんどん広がっていきます。
しのかさん「“学ぶ”ことって人生のどの時期でもできることじゃないですか?でも、それを私も含め忘れちゃってたなって。とりあえず、みんなで学ぶことができる場所にしたくて」
しのかさんと最大(マックス)さんが目指しているのは、ただのカフェではありません。
最大(マックス)さん「カフェを作りたいっていうより、“社会やコミュニティにとって必要な空間”をどう利用してもらえるか。 例えばアートギャラリーとかにはみんな気軽には行かないよね。カフェなら来てもらいやすいかなと思って。カフェがきっかけで『あ、こういうのもあるんだ』って気づいてもらえれば、それで成功かな」
——庭に置かれている黒板の物語にも、“みんなが求めてやって来る、心満たされる場所”が登場しますよね。あれは誰が書かれたんですか?

しのかさん「あの物語は、マックスが英語で書いて、私が日本語に訳しました。ストーリーにもあるように、Pond Caffe自体が“冒険した者だけがたどり着ける場所”というイメージですね」
「菊」と「池」が登場する、不思議な冒険のお話。今日も「Pond Caffe」では、この場所が持つストーリーと、その魔法を求めて訪れる人々の物語が重なり合います。
お店で不定期で開催されているイベントも、その一部。
最大(マックス)さん「イベントの内容は毎回違いますけど、これからはもっとストーリーのあるイベントにしたいです。 昔話みたいなストーリーをつくって、お客さんにもその空間に入ってもらう「ポンドランド」みたいな(笑)キャラクターが居て、みんなが参加できるイベントにしたいですね」
冒険した者だけがたどり着ける場所
最大(マックス)さんは「菊池は、今は空き店舗が多いけど、だからこそ新しい可能性がたくさんある。隙間や穴があるからこそ、作り出せるものがあると思う」と話します。
空き家を自分たちの手で再生させ、独自の世界をつくり出した2人。実は、リフォームは、まだまだ完成していないそう!
「滞在できるスペースなども作って、いずれは海外からアーティストの友達を呼んで、色々プロジェクトができたら面白いなと思っています」としのかさん。
どんどん変わっていく、未完成な物語。それこそが、この場所の魅力です。
皆さんも、美味しいフードとドリンク、そして「Pond Caffe」にしかない魔法を目指して、冒険に出かけてみてはいかがでしょうか。
INFORMATION
店名:
Pond Caffe(ポンドカフェ)
住所:
熊本県菊池市今725
電話番号:
0968-41-7557
営業時間:
[月・土・日]8:00〜16:00
[金]12:00〜20:00
定休日:
火曜日・水曜日・木曜日(その他不定休あり)
一人当たりの予算:
¥1,000〜¥2,000
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